蒼穹のファフナー THE BEYOND

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SPECIAL

2019.08.09

「蒼穹のファフナー」シリーズ 15周年イベント〜in 尾道〜

2004年7月4日にTVアニメ第1期の放送がスタートした「蒼穹のファフナー」シリーズ。今年2019年に15周年を迎えたことを記念し、7月13日(土)、シリーズの舞台モデルのひとつである広島・尾道にてイベントがおこなわれた。会場には、15年にわたり作品に携わってきたキャスト陣やアーティストが集結。更に、本イベントの模様は全国20ヶ所の映画館にて生中継された。

記念すべき15周年イベントは、angelaのライブパフォーマンスによって幕を開ける。シリーズすべての主題歌や挿入歌などを手掛けてきたangelaがこの日のオープニングに贈ったのは、初めてファフナーの為に制作された楽曲であるイメージソング『fly me to the sky』。まさにファフナーの始まりともいえる楽曲に、ファンのテンションも一気に高まる。「ようこそ竜宮島へ!」と叫んだボーカルのatsukoさんは、「angelaが今ここで歌っていられるのはファフナーのおかげだと思っています!蒼穹のファフナーFOREVER!!」と作品への感謝の思いを語る。続けて披露された最新作「蒼穹のファフナー THE BEYOND」のオープニングテーマ『THE BEYOND』では、会場が一体となって「蒼穹!」と声を張り上げた。

ライブの興奮冷めやらぬ中、ステージには真壁一騎役・石井真さん、皆城総士役・喜安浩平さん、近藤剣司役・白石稔さん、真壁史彦役・田中正彦さん、そして今回がファフナーイベント初出演となる溝口恭介役・土師孝也さんといった、豪華キャスト陣が登壇。なぜか全員がアロハシャツ姿で現れた様子は、15年前のイベントを思い起こさせるよう。また、こちらも過去のイベントを踏襲し、「ニーベルング・システム」に見立てた赤いスライムに石井さんが手を突っ込んで、全国の観客との“クロッシング”を試みる場面も。イベント冒頭から登壇者には笑いと困惑の表情が見られつつも、トークは15年間の思い出へ。土師さんは、「自分くらいの年齢になると15年は短い。ただ、周り(登壇者)を見ると皆オヤジになっていて、ああ、ずいぶん経ったんだと(笑)」と、15年という時間の重みを噛みしめる。田中さんと白石さんは、長い間一つの役に関われることの有難さを語り、キャラクターと共に歩んできた15年を振り返った。また、最新作「THE BEYOND」で“新たな”皆城総士を演じることとなった喜安さんは、「今は今ですごく大変」と苦笑い。「(15年経った)今も新しい可能性を見付けようとしている制作陣の姿勢が刺激的で、今もずっと楽しいということが幸せ。いつの間にか15年経っていたんだなという心境です」。

そしてここからは企画コーナーへ。最初のコーナーは、第1期 第1話から「EXODUS」までの「名場面アフレコ」。キャスト陣が様々な組み合わせで送る気迫あふれる生演技に、会場からは盛大な拍手が送られる。しかし、生アフレココーナーは意外な展開へ。なんと、自身のキャラクターとは別のキャラクターを演じる「シャッフルアフレコ」がおこなわれることになり、キャスト陣も戸惑いの表情。おなじみのキャラクターが新たな解釈で演じられていき、名シーンが“迷シーン”となってしまう。田中さんが総士を、土師さんが一騎を演じる場面では、まさかの“50年後の一騎と総士”というテーマでベテラン2人が怪演。また、田中さんの好きなシーンだという第1期 第20話の春日井甲洋とのやり取りは、キャスト5名全員で1人2〜3役に挑戦。思い思いに声を当て、ステージ上はカオスな状態となりながらも、キャスト陣の普段見られない演技を堪能できる贅沢な空間となった。

笑いに包まれた生アフレコに続いておこなわれたのは、更なる迷企画「虚無輪投げ」。突如ステージに襲来した3体のアザゼル型フェストゥムの的に、ワームリングに見立てた輪を投げるという趣旨だ。ここでangelaの2人もステージに再登場。田中さん、石井さん、KATSUさんの「史彦チーム」と、土師さん、喜安さん、白石さんの「溝口チーム」に分かれ、atsukoさんを審判に得点を競っていく。中盤、田中さんが華麗な投てきで最高点を獲得すると、それ以降は、的を動かしたり至近距離から輪を投げたりと、得点のため大人げない手段に出る人たちも現れる。見事(?)熱戦を勝利した史彦チームには、疑似ニーベルング・システム体験ができる「ハンドマッサージャー」という、なんともファフナーのイベントらしい賞品が贈られた。

白熱したゲームの後は、少し真面目な「アルヴィス会議 in 尾道」のコーナーへ。アルヴィス司令である史彦役・田中さんの「総員、アルヴィス会議in 尾道を開催する!」という発声からスタート。まずは、事前に島民(ファフナーファンの呼称)から寄せられたお題として、自身が演じるキャラクターへのメッセージを求められる。石井さんは、真壁一騎に対して「一回、遠見(真矢)に謝ってもいいんじゃないかな……」と忠告。また、「EXODUS」まで様々な苦労を重ねてきた皆城総士に対しては、演じる喜安さんから「本当によく頑張ったね」と心からの労いの言葉が掛けられた。更に、会議中には島民やキャストからのお祝いコメントも。白石さん演じる剣司と作中で結婚した近藤咲良役の新井里美さんや、堂馬広登役の佐々木望さん、羽佐間カノン役の小林沙苗さんからお祝い動画が到着。当時の意外なエピソードなども飛び出し、思い出に浸りお祝いムードとなったが、アルヴィス会議はそれだけでは終わらなかった。突如バトンを渡された石井さんが、もはやファフナーのイベントでは定番となったラップを披露する流れに……。ためらいつつも、しっかりと用意されていた最新曲『安心のファフナー』が繰り出され、「こんなファフナーは安心する」という脱力感満載の歌詞に、客席とステージから爆笑が巻き起こった。

ここで、「蒼穹のファフナー」シリーズに関する新情報が! まず、真壁一騎の誕生日である9月21日(土)に、ニコニコ生放送他にて生誕記念生放送の実施が決定し、石井さんと喜安さんの出演が発表された。 また、今年5月に劇場先行上映がおこなわれた「蒼穹のファフナー THE BEYOND」第一話、第二話、第三話のBlu-ray&DVDが、10月23日に発売決定!封入特典として、昨年末に開催された「総士生誕祭」の模様に加え、angelaが手掛ける同作のエンディングテーマ『何故に..』が初収録されることも明らかになると、待望の音源化にファンからは歓喜の声が上がった。 そして、「THE BEYOND」第四話以降の情報が遂に解禁に!第四話「力なき者」、第五話「教え子」、第六話「その傍らに」が、2019年11月8日より劇場先行上映されることが発表となった。更に、キービジュアルが公開されると、15年目にしてキービジュアル初登場となった真壁史彦と遠見千鶴の姿に、会場からはどよめきが。

第四話以降への大いなる期待とストーリーの行方への不安の思いが入り混じる中、15周年イベントもいよいよクライマックスへ。登壇者1人1人から全国の島民へメッセージが送られる。

KATSU 「ファフナーのメンバーでこの竜宮島、尾道までやって来て、今日はファンのような目線で楽しませてもらっていて。特にシャッフルアフレコの(石井さんが演じた)甲洋のセリフがめちゃくちゃ響いて、袖で泣きそうになりました。4話以降もファフナーのために、angela、すべてを捧げます!引き続き、応援よろしくお願いします!」

atsuko 「『fly me to the sky』でステージに出てきたとき、ワッと皆さんの感情が伝わってきて、15年前のことを一気に思い出しました。ファフナーがangelaを作ってくれましたし、きっとこれからのangelaもファフナーが作ってくれるんだろうなと思っています。この空間にいたことを一生の思い出に、そして、これからも繋がっていくファフナーの未来をしっかりと見届けていきましょう!」

土師 「滅多にこういうところには来ないのですが、15年の感謝を込めてやってまいりました。またどこかで会いましょう!」

田中 「15年、長いようで短いのかもしれませんが、まだまだ続きます。一緒に、皆さんと共に年を取っていけたら嬉しいなと思います。これからもよろしくお願いいたします」

白石 「ファフナーは、いつも旅に出るような気持ちです。辛いことも楽しいこともあって、旅が終わる時にはひとつ成長できているのではないかなと。ここまで様々なことがあって、会えなくなった人たちもいる。でも今、『THE BEYOND』という新しい物語が始まったからこそ、15年を振り返った時によりいろいろな思いが出てくるなと感じます。これからも、ファフナーを愛していただけたら幸いです」

喜安 「個人としては(生まれ変わった総士という)新しい課題を頂き、それを精一杯クリアしようと必死だったのですが、話数が進むにつれ、もっともっと作品に対して何かできることはないかという思いがあって。その成果を、秋に皆様へ届けられたらと思います。1つ1つ渾身の話数が続くので、受け止められるだけの元気な状態でいてくださいね!またこういった所で、あるいは劇場で、いろいろな楽しい話をしましょう」

石井 「今回感じたのは、尾道がファフナーに協力してくださっているということ。作品の舞台である尾道という町が、ファフナーを一緒に盛り上げてくれる。それは、ファンの皆さんの熱があってこそのことです。15年ってすごいなと。作り手の熱と皆さんの熱が合わさって、一つの作品が出来上がっていきます。この先も続いていくファフナー、熱い気持ちで見守っていただけたらと思います」

客席からの大きな拍手で登壇者が送り出されると、angelaによる「蒼穹のファフナー」シリーズイメージソング『私はそこにいますか』に乗せ、15周年記念のシリーズを通した特別ダイジェスト映像がスクリーンに映し出される。改めて映像で15年の歴史を振り返り、イベントは終了かに思われたが、ここで出演者がふたたびステージに登場!最後は客席も巻き込み全員で第1期オープニングテーマ「Shangri-La」を歌唱し、この日1番の盛り上がりの中15周年イベントは幕を閉じた。

なお、15周年記念映像は現在YouTubeにて公開中。是非チェックして、ファフナーのこれまでの歩みに思いを巡らせてみてはいかがだろうか。そして、「THE BEYOND」の続報も解禁となり、今後もまだまだ歩みを止めない「蒼穹のファフナー」シリーズ。15周年のその先も進み続ける物語の行く末を、しっかりとその目で見届けていただきたい。

写真:山口正人

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